目標を達成する事

思い起こせば2年前当時アシスタントのスタッフからこんな事を言われた

「西部さん、お話があります。実は私、お店を辞めさせて貰いたいんです!」

スタッフを抱えていれば、常に頭の片隅をよぎるフレーズではあるものの、いつ聞いても精神衛生上良くないものだ

先ずは動揺を隠し、そこに至った経緯を聞くことにした

全てを事細かに書くと長くなるので、端的に原因を書くとすれば“うちのサロンに目標や目的意識を持てなくなった!”という事だと感じた

オーナーとして、1人の美容師の先輩として、働いているスタッフや後輩が目標も持てない!やる気も出ない!そんな状況に陥るのは、経営者として、先輩美容師として、失格だな!と本気で悩んだ

そして次の日から、自分の頭の中には「彼女に何をしてあげられるのか?彼女は何をしたいのか?」その事がグルグル巡っていた

なにより、美容師を好きになって貰いたかったし、美容師の本当の良さを分かって貰いたかった!

そして一生出来る、オーバーに言えば命を掛けれる素晴らしい仕事だ!と思って貰いたかったその夜は寝ないで考え、次の日から徹底的に彼女と話し合うことにして、指名のお客様以外の時間は何度も外で2人の話し合いを続けた

その甲斐があってなのか?数週間後、彼女の口から次の言葉をきいたのだ‼️

「わたしスタイリストになって○○○売り上げて、○○万円のお給料貰いたいです!」

その言葉を聞いて、この子凄いなぁ〜〜‼️って思い、本気で育ててあげないとって心に刻んだ

店をオープンして13年の間、いや美容師人生30年の間に何人もの美容師を見て来たが、明確に自分の目標や夢を人に伝えられる、そんな子は一握りだと思う

もっと言えば彼女が提示して来た額は、俺が美容師になって15年位の間、休みの日も返上して講習会に行き、終電が無くなるまで練習して、やっと貰えた額だったのだから、言い方は悪いが「こいつは馬鹿か天才のどっちかだな!」と思った

特に最近の若い子にお給料どれくらい欲しいの?って聞くと、決まって「お給料は、そこそこ貰えればいいんです!それより休みが欲しいです」みたいな答えしか返ってこないからだ

話を元に戻すが、その目標を聞いた次の日、俺は朝早くコンビニで大学ノートを買い、彼女に手渡したそして最初のページ1面に彼女の夢を期限付きで書きなさいって言ったら、次の文字を書いた

2017年10月21日 スタイリストデビューᕦ(ò_óˇ)ᕤ

大手の美容室でカリキュラムがきちんとあっても、鋏も持ったことのない子がスタイリストデビューするには最短でも2年から3年はかかる所を約3分の1のスピードでデビューさせるのは、かなり大変な事なのだが、何より本人の気力と体力が充実しているなら何とかする自信があった

次の日から、ほとんど毎朝7時半には店に行き練習を見る日々が続いた本人も大変だが、彼女の倍も歳を取ってる自分も正直言って大変だったなぁー

その甲斐あって彼女の目標とした期限にスタイリストデビューさせる事が出来た❗️

本人も嬉しかっただろーが、自分も凄く嬉しかった

自分がやる事より、人にやらせる事の方が何倍も大変だと思うが、成し遂げた時は何倍も嬉しいものだから

そして、また今年も1人新卒の子が入社して来たいつまで俺の体力が持つこと

そこが一番の問題だな笑笑