毛髪内部は「CMC(Cell membrane complex:細胞膜複合体)」や「コルテックス」等、複数の構造から成りますが、それらはペプチド結合、SS結合、イオン結合、水素結合という4種類 のいずれかの結合によって結びついています。 通常のパーマは、ロッドに巻いた毛髪に、パーマ剤(1剤)を塗布<もしくはパーマ剤(1剤)を塗布した毛髪をロッドに巻く>して、その後パーマ剤(2剤) を塗布します。これは、パーマ剤(1剤)によってSS結合を切ることでCMCを柔らかいゴム状態にし、コルテックスが動ける環境を作り、パーマ剤(2剤) によってSS結合を再結合してウェーブを形成しているのです。 air waveは、この一連の流れに影響を及ぼす毛髪の「温度と水分量」のバランスを、空気の力で適切にコントロールし、コルテックスの移動を促進させるのです が、よりスムーズで効率的なコルテックスの移動を促すのが「クリープ」、そして移動したコルテックスを、その位置にきちんと固定させるのが「ガラス化」で す。 クリープとは、一般的には、物質に一定の温度や応力がかかり続けたときに生じる変形のことをいいます。 毛髪のCMCは常温常湿では安定しています。※この状態のことを「ガラス状」と呼びます。 エアウェーブでは、パーマ剤(1剤)によってSS結合を切った後、クリープに適した温度と湿度を与えます。そうすることで、CMCが柔らかなゴム状態にな り、それによってCMCが接着していたコルテックスはロッドに沿って、ゆっくりとストレスの無い位置に移動し、毛髪はウェーブ状になります。ただし、この ままではCMCはゴム状態なので、つくったウェーブは安定しません。 ガラス化とは、一般的には、温度の低下により高分子(タンパク質や脂質などの分子量1万以上の化合物)が柔らかなゴム状態から、硬質なガラス状態になるこ とをいいます。 エアウェーブでは、クリープを行った後の不安定なウェーブを、温度と湿度をコントロールして、CMCをガラス状態にした後、常温に戻します。こうすること で、コルテックスは常温常湿でストレスの少ない位置で固定されます。 この後パーマ剤(2剤)で、その位置を記憶させます。 クリープを行うことで、パーマ剤(1剤)の作用時間が短くて済むためケミカルダメージが抑えられますので、柔らかな手触りになります。 また、コルテックスがストレスの少ない位置に移動するため、美しいリッジに導くことができます。 一方、エアウェーブの工程では、ガラス化後の常温常湿状態、つまり日常生活状態に戻してからパーマ剤(2剤)を塗布しウェーブを記憶させる訳ですから、日 常生活状態で美しいスタイルが再現しますし、濡れている時はクリクリだけれども、乾かしたら伸びるというようなウェット時とドライ時の差が少なく、高い持 続性も発揮します。その上、キューティクルも歪みが少なくきれいに整うので、なめらかな手触りになります。 |
毛髪は、爪と同じように本質的には皮膚の一部 で、いわば皮膚が形を変えて分化したものです。 一番外側がキューティクル(毛小皮)、その内側がコルテックス(毛皮質)、中心がメデュラ(毛髄質)という構造になっています。 キューティクルは無色透明で、魚のウロコのようにきれいに並んでいれば健康な髪と言えます。コルテックスは葉巻状の形をしていて、縦方向につながり、比較 的規則正しく並んでいます。このため、毛髪は引っ張っても簡単には切れません。キューティクルとキューティクルの間や、コルテックスの横方向は、CMCで 接着されています。CMCは、水分を保持し、水や薬剤の通り道となっています。 |
「美しくカールされた髪」は長年の女性の夢でした。 19世紀のヨーロッパでは女性たちは石油ランプでアイロンを熱し、それを毛髪にあてることで、髪をきれいにカールさせようとしていました。 しかし、湿気が高かったりシャンプーしたりすると、カールはすぐに伸びてしまいます。 そこで1905年、ドイツ人のチャールズ・ネッスラーという人が、湿気が高くてもカールが伸びない方法をロンドンで発表しました。これが世界最初のパーマ ネントウェーブであり、ネッスラーはパーマネントウェーブの父と言われています。 その後、100年以上が経過しました。 「美しくカールされた髪」を求めて、100年でパーマは飛躍的な発展を遂げました。 現在、最も一般的なパーマは、コールドパーマと言われるものです。 熱を使わずパーマ剤だけでウェーブを形成するため、コールド(冷たい)パーマと呼ばれています。 次にホット系のパーマがあります。 これは、ロッドに電気コードがついていて、髪に熱を与えることでウェーブ促進する方法です。数年前、有名な雑誌モデルの髪型に憧れる女性が、ホット系パー マを使った巻き髪にしたことで人気となりました。 当社がair waveを発売した2006年には、パーマと言えば、この2種類が一般的でした。 そこで、コールドパーマを第1のパーマ、ホット系パーマを第2のパーマとし、第3のパーマとして、エアウェーブを発表しました。 多くの女性の長年の夢を叶えたい・・・その思いが、第3のパーマという表現につながったのです。 |
パーマについてのアンケートを取ると、 54.4%の女性が「パーマをしてみたい・し続けたい」と思っているのに対し、本当にパーマ(ストレートパーマ、縮毛矯正含む)をかけている女性は 31.6%です。これを単純に引き算すれば、22.8%の女性は「かけたいけれどかけていない」ということになります。パーマをかけない理由の一番に挙げ られるのが、「髪が傷む」とか「傷みそうだから」ということで58.3%にも上ります。※以上、数値は全て「NBA(全国理美容製造者協会)2008年度 調査」に基づく
カールした美しい髪に憧れる気持はあるけれど、傷みそうだからかけない・・・それが多くの女性の気持ちではないかと考え、髪が傷まないパーマとはどんなも のなのか、当社は様々な研究を行いました。そこで発見したのが「髪のガラス転移点」です。ガラス転移点とは、固体物質が温度と湿度を変化させることによっ て固体(ガラス状態)からゴム状態に変わる境目のことで、天然ゴムや合成樹脂等の高分子がガラス転移点を持つ物質として有名です。但し、その性質について は未だに多くの謎があります。毛髪についても以前は、ガラス転移する毛髪内の組織や転移点の詳細については分かっていませんでした。
当社は京都女子大学 上甲恭平教授、株式会社島津製作所と共同で、毛髪のガラス転移を調査した結果、ガラス転移点を測定することに成功し、同時にこのガラ ス転移が、CMC等で起きている現象であることが分かり、2006年の学会(第42回 熱測定討論会)で発表しています。
そして、このガラス転移現象をパーマに応用するにはどうしたらいいのか、試行錯誤を重ねました。
一口に毛髪といっても、ダメージレベルや毛の多さ等様々です。
憧れのウェーブヘアに近づけるパーマシステムを開発するために、
1万件以上の検証を重ねました。そして、毛髪のガラス転移が効率よく行われるように、フード内の温度と湿度を自動的にコントロールするプログラムをパーマ の工程に組み込むシステムを開発し、生まれたのがair waveなのです。
ガラス化は単純に髪を乾かすことではありません。 美しいウェーブを再現するためには、日常生活状態(濡れていない状態)でパーマ剤(2剤)を塗布して固定することが必要ですが、ロッドにしっかり巻いた髪 の毛をドライヤーで乾かそうとしても、どうしても表面だけが乾き、中央部は湿ったままで残ってしまいます。また、ドライヤーで高温の風を長時間同じ個所に かけ続ければ、ダメージを引き起こす原因になります。だからと言って、湿ったままの毛髪にパーマ剤(2剤)を塗布すると、毛髪は湿った状態でのウェーブを 記憶しますので、日常生活状態(濡れていない状態)に戻すとウェーブがダレるという現象が起こります。このため、ドライヤーを用いてair waveと同じガラス化の状態を得ることは不可能と言えます。 air waveは、1万件以上の検証を重ね、毛髪のダメージと毛量によって出力や時間を自動でコントロールするプログラムにしています。また専用のロッドには穴 が開いていますが、これも吸い込んだ水分を通りやすいような開け方を検証した結果なのです。 美しい仕上がりを得るためには単なる乾燥ではなく、ガラス化が必要であり、ドライヤーでは確実なガラス化は出来ません。短時間でロッド内側の毛髪まで均一 なガラス化ができるのはair waveなのです。 |
ホット系パーマとエア ウェーブとの大きな違いは、
(1)毛髪のダメージの度合いと、それにより繰り返しかけられるか
(2)カール形状の違いと手触り
(3)デザインの可変性、つまりアレンジのしやすさ。
また再現性と、それに伴うスタイリングのしやすさでは、ホット系パーマと
エアウェーブどちらもコールドパーマに比べると優れているといえます。
多くのホット系パーマは通常70℃以上の熱を用い、電気コードのついたロッド自体が熱くなります。
毛髪は、その大部分がタンパク質からできています。タンパク質は、熱を加えることにより性質が変わり徐々に固まります。(タンパク質でできている卵が、熱 を加えることでゆで卵や目玉焼きになるのを思い浮かべてください。)
ホット系パーマは、このタンパク質の性質を利用しています。これにより、非常にカール感の強いデザインが可能になり、再現性も高いのでスタイリングが手軽 になりますが、同時に硬い手触りになります。また、髪の表面を覆うキューティクルは熱に弱く、ある程度の損傷は避けられません。
繰り返しホット系パーマをかけ続けると、毛髪のタンパク質成分の熱による変性で、パーマを施術しても求めるカールが得られにくくなってしまいますので、場 合によってはパーマをお休みすることも必要となってきます。
これに対しair waveは50℃程度の温風を用います(毛髪表面は40℃程度)。繰り返しパーマをかけても毛髪のタンパク質成分を熱で変化させることはほとんどありませ んし、キューティクルへの熱による影響も少ないです。
さらにair waveでは、ロッド自体が熱くなりませんので髪の根元からロッドを巻くことができます。従って専用ロッドに巻ける長さであれば、ショートヘアの方にもお 試し頂けます。
今までご説明したことからお分かりのように、どんなカールをどこに欲しいのか、求めるデザインに応じて、施術するパーマの種類を選定する必要があります。 しっかりした巻き髪を求める方には、ホット系パーマが適しているかと思います。ただ、一度施術した後は、デザインを変えることは難しくなります。
エアウェーブはどちらかといえば、柔らかくしなやかな外国人のくせ毛風のナチュラルウェーブが得意です。
ただし、エアウェーブはロッドの選定によってはホット系パーマのような巻き髪「風」スタイルにもできます。しかも柔らかな仕上がりですので、ブラシで伸ば すようにブローし、アレンジすることができます。このようにスタイリングの方法を変えるほか、9種のロッドの巻き方や組み合わせで、豊富なスタイルバリ エーションを楽しむことができます。
ふんわりボリュームのあるトップは、可愛らしさやハツラツ感を感じさせます。 コールドパーマの場合、髪が濡れた状態でウェーブを記憶しますので、日常の乾いた状態ではどうしてもウェーブがダレます。特にロッドの巻き始めの部分には ウェーブが形成し難く、根元の立ち上がりをパーマで表現するのは難しいことでした。 また多くのホット系パーマでは、通常70℃以上の熱を用いるので、皮膚に近い根元への施術は難しいと考えられます。 エアウェーブは、根元の立ち上がりが特長の1つといっても過言ではありません。 エアウェーブでは、最終的に毛髪内の環境を常温常湿に戻した、ストレスのない安定した状態で固定し、パーマ剤でその位置を記憶させるため、髪は日常の温度 湿度の状態でウェーブ形状を再現します。根元部分からロッドを巻くと、常温でしっかりしたボリューム感に。 ですから、今までなかなかボリュームあるヘアデザインにトライできなかった軟毛の方や、徐々に髪のハリやコシが弱くなってきた大人世代にも、とってもおす すめです。 髪全体にパーマをかけるだけでなく、根元だけ、毛先だけ、と欲しい部分にボリュームを出したりカールをプラスしたりと、バリエーションが楽しめます。 |
air waveは、パーマをかける工程に影響を及ぼす空気と水分を適切に
コントロールします。
コールドパーマは、濡れた状態でウェーブを記憶しています。つまり水を余分に含んだ状態で、毛髪内の物質(コルテックスやCMC)がそれぞれの位置を記憶 している、ということです。そこで常温常湿(日常生活の状態)に戻すと、毛髪内の余分な水がなくなり、毛髪内の物質が記憶した位置にとどまることができず ストレスのかかった状態といえます。そうすると毛髪内の物質はストレスのない状態に戻ろうとします。これがウェーブの「ダレ」やパーマが取れやすくなる原 因のひとつとなります。
エアウェーブでは、最終的に毛髪内の物質を常温常湿に戻した、ストレスのない安定した状態で固定し、パーマ剤でその位置を記憶させるため、髪は日常の状態 でウェーブ形状を記憶しています。
ですから、ゆるやかなウェーブでもしっかりと美しいデザインを保ちます。
今までと比較して約1.5倍、およそ3か月近く長持ちするという調査結果(当社比:当社パーマ剤を使用)も出ています。
「パーマがすぐ取れてしまう」とお悩みのやわらかいネコ毛の方にこそ、ぜひお試し頂きたいパーマです。
大人の女性の髪は、ハリ・コシがなく細く痩せてきてボリュームが出にくかったり、ごわついてツヤ感がなくなってきたり、度重なるカラーリングで傷んでいた りと、多くの悩みを抱えています。 しかし近年、多くの世代において髪の健康に気をつけておられる方が増えており、髪のダメージというものが、パーマを躊躇させる大きな要因になっています。 特に大人の女性は、以前にパーマをかけたことのある方も多く、パーマのメリットもデメリットも良くご存じかと思います。 しかし、だからこそ大人の女性に、エアウェーブをおすすめしたいと思います。 ハリ・コシがない細い髪に必要なのは、根元を立ち上げてふんわりボリュームアップしたヘアスタイル。 エアウェーブは根元の立ち上がりが特長の1つといっても過言ではありません。 根元からロッドが巻けて、トップからのふんわり大きなウェーブで生き生きしたヘアデザインをサポートします。 そしてairwaveは50℃程度の温風を用います(毛髪表面は40℃程度)。毛髪のタンパク質を熱で変化させることはほとんどありませんし、キューティ クルへの熱による影響も少なく、さらにパーマ剤(1剤)の作用時間が短くて済むため、ケミカルダメージも抑えられますので、柔らかな手触りになります。 さらに「ガラス化」という工程で、常温常湿、つまり日常生活状態に戻した後のウェーブを記憶させるのですが、その時にキューティクルも歪みが少なくきれい に整うので、ごわつきの少ない、艶やかな髪に仕上がります。 そして、今までと比較して約1.5倍(当社比:当社パーマ剤を使用)、およそ3か月近く長持ちするという調査結果も出ていますので、頻繁にパーマをかけて ダメージを促進させることも少なく、カラーリングとのスケジュール調整も容易になります。 さらに、エアウェーブは、常温常湿で形状記憶するので、再現性が高いのが特徴。忙しい大人の女性にとっても、スタイリングが楽なのはうれしいことですよ ね。 今まで表現しづらかった“外国人のくせ毛風”のゆるふわスタイルがエアウェーブを使用して創作され、あちこちの雑誌に掲載されたことで、若い人向け、とい うイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。 しかしエアウェーブが得意なのは、“ゆるふわ”だけではないのです。 “大人髪だって得意です”と、胸を張って言えます。 |
エアウェーブでは、毛髪の中にある物質 (CMC)を固定するガラス化の際、同時に髪の表面を被っているキューティクルも歪みが少なく、きれいに整えますので,ツヤやかで柔らかな、トリートメン トしたような手触りに。
また、50℃程度(毛髪表面は40℃程度)の温風を用いますので、熱によるダメージも受けにくく、よりナチュラルな質感に導きます。
air waveはクリープ時に空気を吹き出し、ガラス化時に空気を吸い込みます。この空気の吹き出し、吸い込みの時、音が発生するため、施術中、その音が気にな る方もいらっしゃいます。air waveで発生する音は(お客様の毛量や、クリープ中なのかガラス化中なのか等によっても変化しますが)、80dB程度であり、美容室で使用されている業 務用ドライヤーと同じか、少し小さいぐらいです。ただ、フードに入った状態で音が聞こえるため、確かにドライヤーよりも音が気になるという方もいらっしゃ るようです。その一方で、特にクリープの時は、他の音が聞こえない状態で、頭部が心地良い温もりに包まれて、リラックスして眠ってしまうという方もいらっ しゃいます。 また、発生する音そのものを小さくすることはできませんが、セッティングの方法(フードから耳を出す)によって、音の聞こえ方も全然違ってきます。 残念ながら、air waveが動いている時は、静かとは言えませんが、クリープとガラス化が行われている証ですので、仕上がりを期待して過ごしてくださいね。 |